L700Sミラジーノ 納車した話
前の記事ではMercedesのAMG A45s W177を納車した
オールマイティで非常に気に入ってる車両なのだが、
不自由な点も存在している
・マニュアルに乗りたい
・彼女が日常遣いするにはピーキーすぎる
・燃費がマジで最悪
・母に車を貸す機会がまあまああるのだが、流石に400PSは貸せない
どれも初めから分かっていそうな部分であるが、
実のところ目を瞑ってA45sを納車していた
やっぱりもう一台、車が必要だな…
と思い、彼女にどんな車が好みか聞いてみた
ワイ「どんなのが好き?」
彼女「S13、AE86、180」
ワイ「…?」
聞くところによると、お父上が車好きだったとのこと
どうりで、英才教育な訳だ
流石に趣味車が過ぎるし、駐車場のサイズ問題もあるので、
もっとコンパクトな車種に限定して再度聞いてみると、
ワイ「もっと小さいのないの?」
彼女「アバルト595、ローバーミニ」
ワイ「なんで?」
彼女「可愛いから」
ワイ「うーーーーーーーん……」
ワイ「ミラジーノは?」
彼女「かわいーー、これ好き」
ワイ「せっかくならMTにしよう」
こんな感じで車種は決定した
この時の筆者は、L700系ミラジーノ MTが死ぬほど高騰しているのを、まだ知らない
ミラの系譜
ミラはダイハツから発売されている軽自動車で、1980年に登場し、2018年まで生産され、
7世代に及ぶ、息の長いモデル
Miraはイタリア語で「羨望」を意味する
ざっくりとした年表をまとめる
・初代ミラ(L55/L60系:1980年〜1985年)
ミラの歴史は1980年に遡り、ダイハツは当時の軽自動車市場において、
商用バンと乗用車の両方で競争力を高めるため、新たなモデル「ミラ」を投入
初代ミラは、当時のダイハツ・フェローMAXの後継として誕生し、商用車仕様(ミラ・バン)と乗用車仕様(ミラ・セダン)がラインナップされた
・2代目ミラ(L70系:1985年〜1990年)
1985年に登場した2代目ミラは、より角ばったデザインを採用し、軽自動車市場での競争力を向上させた
また、スポーツモデルの「ミラ・ターボ」も登場し、軽自動車の性能向上が進んだ時期でもある
・3代目ミラ(L200系:1990年〜1994年)
1990年にフルモデルチェンジを迎えた3代目ミラ(L200系)は、流線型のボディデザインを採用し、空力性能を向上させた
さらに、DOHCターボエンジンを搭載した「ミラTR-XX」も登場し、軽自動車のスポーツモデルとして高い人気を博した
・4代目ミラ(L500系:1994年〜1998年)
1994年には4代目ミラ(L500系)が登場
このモデルでは軽自動車規格が変更され、全長・全幅の拡大が行われた
デザインはより丸みを帯びた形状となり、室内空間の拡大も図られた
また、女性ユーザーを意識したモデル展開も強化されました。
・5代目 L700/710型(1998年 – 2002年)
軽自動車の規格改正に伴いフルモデルチェンジ
安全性の向上が図られ、衝突安全ボディ、エアバッグ、ABS、ブレーキアシスト、DVSなど安全装備が向上された
・6代目ミラ(L250系, 2002年-2006年)
2002年に登場した6代目ミラは、軽量化が図られ、最軽量グレードでは700kg台という驚異的な軽さを実現
この軽量設計により、燃費性能が向上し、環境性能が向上した
この世代ではスポーティな「ミラアヴィ」が登場し、従来のTR-XXの流れを汲むスタイリッシュなデザインを採用した
・7代目 L275/285型(2006年 – 2018年)
2006年に登場した7代目ミラは、実用性を重視した設計となり、エコカーとしての要素が強くなった
特に燃費性能が大幅に向上し、「エコカー減税」の対象となるなど、時代のニーズに合わせたモデルとなった
派生モデルとして「ミラカスタム」が登場し、上級志向の顧客にも対応
デザイン面でも洗練され、軽自動車ながら高級感のある仕上がりに
・8代目ミラ(L285系, 2013年-2018年)
2013年には、ダイハツの新技術「e:S(イース)」を全面的に採用した8代目ミラが登場
軽自動車としての燃費性能をさらに向上させ、環境性能を重視したモデルへと進化
しかし、この世代ではミラの標準グレードが縮小され、代わりに「ミライース」が実質的な後継モデルとして登場した
2018年以降、ダイハツは「ミラ」の名称を廃止し、「ミライース」に統合する形でモデルを継続している
ミライースは徹底した軽量設計と低燃費技術を採用し、よりシンプルで実用的な軽自動車として定着した
次のセクションでは5代目ミラの派生モデルである「ミラジーノ」に焦点を当てる
ミラジーノ
・初代ミラジーノ(L700S型、1999年〜2004年)
1990年代後半、日本ではクラシカルなデザインの車が流行しており、特に日産「フィガロ」や、スズキ「ラパン」などのレトロ調デザインの軽自動車が登場し、一定の人気を博していた
ダイハツもこの市場トレンドを捉え、「ミラ」の派生モデルとしてレトロデザインを採用した「ミラジーノ」を発売、
発売当初からレトロデザインを好むユーザー層に受け入れられ、特に女性や若年層を中心に支持を集めた
1999年〜2004年の累計販売台数は推定で約15万〜20万台とかなり売れた模様
特に、発売当初は想定以上の受注が入り、当初の生産計画を上回るペースで売れていた
この好調な売れ行きにより、ミラジーノはダイハツのラインナップに定着し、2004年には2代目(L650S型)へとモデルチェンジを果たした
・2代目ミラジーノ(L650S型、2004年〜2009年)
初代の好評を受け、2004年に2代目が登場
しかし、このモデルではデザインのテイストが変わり、より丸みを帯びたシンプルなスタイルとなった、
この変更が賛否を呼び、初代ほどのヒットには至らなかった
2004年〜2009年の累計販売台数は推定で約10万台前後と伸び悩んだ
その後の販売は継続したものの、2009年に後継モデルなしで生産終了
初代ミラジーノの「ミニ風デザイン」を期待していた層からは、2代目のデザイン変更に対してやや不満の声が上がり、販売台数も初代より落ち込んだと見られ、結果として、2代目を最後にミラジーノは後継車なしで生産終了となった
ミラジーノ開発背景
1998年、日本の軽自動車規格が変更され、全長・全幅の拡大(全長3.3m→3.4m、全幅1.4m→1.48m)が認められた
これにより、室内空間の拡大が可能となり、軽自動車市場は実用性だけでなく、デザインや個性を重視する方向へと進んでいった
同時期、消費者のニーズも変化していた
従来の「移動手段としての軽自動車」から、「ライフスタイルに合うデザイン性の高いクルマ」へと求められる要素が多様化した
特に、都市部の若年層や女性ユーザーを中心に、個性的でおしゃれな軽自動車が求められるようになった
スズキのワゴンRのヒットを受け、ダイハツも「ムーヴ」などで市場に対応していたが、よりデザイン重視の層に向けたモデルが必要とされた
そこで白羽の矢が立った先はクラッシックカー路線
1990年にはスズキ アルト Cが先駆けとなってクラシック志向の車を発売しているが、こちらは限定車でだったので数は多くない
1995年にはスバル ヴィヴィオ(VIVIO)り、6万台の大ヒットとなった、
各社これに続く車両開発を急いだ
そこでダイハツ生み出したのが、「ミラジーノ」だった
ミニライト風のクラシカルなデザインを採用し、実用性の高い「ミラ」と差別化を図ることで、新たな需要を開拓
また、1998年の規格変更で広くなったボディを活かし、軽自動車でありながら上質なデザインを実現した
トータルでは15万台を販売し、このジャンルにおいて、一定の成功を収めたと言えるだろう
後にスズキが「アルト ラパン」を投入し、デザイン志向の軽自動車市場が確立されるが、ダイハツはミラジーノによってこの市場をいち早く開拓していた 、もしミラジーノがなければ、スズキに先行を許し、市場競争力を失っていた可能性が高い
そのため、規格変更と消費者ニーズの変化に対応するためにも、ミラジーノの開発必然だったと言えるだろう
市場からの評価
1999年に登場したミラジーノは、クラシックなデザインが特徴で、特に女性やデザイン志向のユーザーから高評価を得た
当時のレトロブームにも合致し、愛らしい見た目が支持された一方、基本性能はベース車のミラと変わらず、特別な走行性能や広い室内空間を求める層には物足りないなどの声もあった
当時の軽自動車市場はワゴンRやムーヴに代表されるトールワゴンブームもまた主流で、ミラジーノのような背の低いハッチバック型は市場の中心にはなれなかった
しかし、一定の販売実績を上げ、2009年までモデルが継続
結果的に個性的な軽自動車という新たな市場の波に乗ったと言えるだろう
購入経緯
今回私が購入したのは、L700S型、H15年式の初代ミラジーノ、ミニライトスペシャル
このセクションでは購入経緯を書いていこうと思う
平成15年式で10.2万キロ走行したL700Sは、
全オーナーも、今回車両を購入した販売店で整備を行っていたとのこと
ミラジーノを買おうとしてまずカーセンサーを立ち上げた
全国的には500台以上の在庫があり、「価格もこなれているだろう」と思っていた
が、そこからMT車両を選択すると在庫総数は一気に1/10まで落ち込み50台前後、
そこからターボ車両に絞り込むと、さらに半分まで少なくなってしまった
金額を見ると悠に100万円を超える車両ばかり
どうやらMT車の車両価格に関しては2極化しており、
・ボロボロの最低限の整備した車両
・盆栽として整備も完璧、オールペンやカスタムがなされた車両
と大きく分けられるようだ
ミラジーノは10万キロを超えてくると、消耗品のほかに、ウォーターポンプやエンジンマウント、パワーウィンドウなどに不具合が出始める
ターボ車であればメンテナンスサイクルも増える、特にオイル管理が重要になってくる
この辺りの不具合について、修理、対策がしっかり取られていたかどうかが車両の価値を大きく決めるようだ
幸か不幸かミラジーノはよく売れた車だ、
「オイルチェック?なんですかそれ?」みたいなことを言うオーナーも多かっただろう
それだけに、現在の中古市場での個体差は激しく、よく整備されていたアタリ個体は値段も上がりがちである
(よく売れたが故に中古パーツやリビルド品も潤っているのだが)
今回購入した車両の金額については、次のセクションで詳細に書く
価格について
最初に金額を発表すると、本体価格は180万円で、諸々込みで200万円
「いやいやいや、22年落ちで10万km以上走った中古が200万!?」
とも思ったのだが、
・これまで10万km走ってきた実績がある
・市場では貴重なL700sのマニュアル車両
・その中でもさらに貴重なターボ車両
・の中でもさらに貴重なミニライトスペシャル(ホイールは社外製になている)
・内装に関して、ドア、天井を含めた全てのパネルを革張りカスタム
・車高調、Dスポマフラー、ホイール、フェンダーミラー、ナビ、ETC、ドラレコ取り付け済み
・Audi純正色のナルドグレーに全塗装済み
・車両本体価格180万円のうち約45万円は整備費用
・整備は40項目以上に及び、20点のパーツを新品交換している
などの付加価値がついての金額だったので、まあ妥当とも呼べるのではないかと思う
(上記項目が付加価値となり得るかはオーナー次第)
まずL700系ミラジーノのカーセンサーにおける全国在庫は、
L700Sの全体在庫は、
545台で平均価格が50.6万円
そのうちMT車は、
56台で平均価格は88.5万円
そのうちターボ付きモデルは、
28台で平均価格は103万円
(いずれも本体価格)
上記より、L700S、MT、ターボの平均価格は103万円であることがわかった
同条件における最低価格は49万円で、最高価格は258万円であることがわかった
以上より、走行距離や状態、オプションやカスタム等が金額に大きく反映されるようだ
私の購入した車両の本体価格が平均的な金額である103万円であると仮定した場合、
そこに付加価値の計算をしなければならない
購入した販売店では、法定整備の他に、消耗品や壊れやすいパーツを全て新品交換しているとのことで、
その費用は45万円に相当するとのこと、
これを平均価格にプラスすると、148万円となる
そのほか、内装は全て革張りで張り替えられている
これには流石に、相当な費用がかかるだろう
どんなに安く見積もっても30万円はかかるのではないだろうか
また、外装もオールペン済みである、
Audi純正色であるが、軽自動車サイズなので、費用は20万円としよう
ここまでを、平均価格に追加すると、198万円となり、
今回購入した車両の販売価格を超える
それ以外にも車高調やホイール、ドラレコやETCなどがついていたので、
それ全てを後から施工しようと考えると、お買い得と言えるだろう
次のセクションでは
上記リストのうち、カスタムに関して焦点を当てて書いていこうと思う
購入した車両について
経緯にも書いた通り、MTのターボ仕様である

H15年式で、各部の整備が完了している上個体

ここからは、各所の詳細について書いていこう
・オールペン



まず目を引くのは車体色
この車両では全塗装が施されている
カラーはAudi純正色のナルドグレー
・内装全面革張り



ドアパネルからダッシュ、天井に至るまで全てのパネルにレザーが貼ってる
ブラックレザーとグレーのパンチングが使い分けられており、前オーナーの拘りが見て取れる
・車高調
TANABEのSUSTEC PRO CRが装着されている

純正アッパーを流用するタイプで車高はそこそこ落ちてる
場合によっては車止めにマフラーが接触するので注意が必要
・ホイール

HAYASHI RACINGのSTFホイールを履いている
新品では4本で12万円前後とまあまあする
・マフラー

現在の見た目は純正の見た目をしているが、純正はエンドパイプのみで、中間パイプからが社外製になっている

アイドリング時の音量は純正と同じぐらいだが、加速中は低音が響き、音量もそこそこデカくなる
(ゆくゆくはセンター出しに変更するかも)
・フェンダーミラー

ドアパネルヒンジ付近についていたミラーをフェンダーに取り付けるタイプへ変更
一気にクラシック感が出てきて良い感じに
見た目は非常に良いが、視認性は非常に悪い
特に駐車時は注意が必要
・MOMO ステアリング


ミラジーノを購入する際にどうしてもやりたかったカスタム
NARDIと迷ったのでが、法外に高いのでMOMOステにした
サイズは345mmで純正状態よりもやや小ぶりに
見た目は100点
MOMOの方がダイハツ感があっていい感じ
・パネルウッド化

納車前は黒い木目調パネルだったので、茶色のパネルに変更した
茶色目目パネルは販売店に在庫があったので、そちらを譲っていただいた
それ以外にも助手席側に純正のウッドパネルを貼り付けた
色味が若干異なるが、車内の雰囲気が大きく変わって好印象

・Rライトカバー


リヤのライトを丸型化するためのカバーを取り付けた
元の状態はシルバーメッキだったので、本体と同じ色に塗装した
・シートカバー

大阪のミラジーノ専門店、さくらオート製のシートカバーが装着されている
評判も良く、定番となっているシートカバー
・ラゲッジアンダーボード
ミラジーノの純正ラゲッジはフロアが凸凹になっている
これはラゲッジアンダーのスペアタイヤにカバーを掛けただけであるのが原因で、購入した車両は木製ボードを使用し、フラット化しつつ、カバーも敷く事で見た目も大幅に良くなっている

