Mercedes AMG A45s納車した話

前書き

筆者の職業はカメラマンである
さて突然だが、カメラマンにおいて重要な機材は何であるか?という問いに、どう答えるべきだろうか多くの場合、それはカメラだと思う

PCという答えも順当で良いと思う

ある有名な写真家の格言の中に、
「写真家の最も重要なアイテムは靴」としているものもある

それを現代において解釈し直すと「移動手段はなるべく高機能で耐久性があり、良いものを選ぶべき」という事になる

私の場合それは車だと思う
カメラマンの仕事道具は膨大な量に及ぶ

それらを運ぶ道具として、駆け出しで、まだ車を持っていなかった頃の筆者はキャリーバッグに全てを詰めて電車移動をしていた
当然、持ち運べる量には限界があり、現地にて機材をレンタルする事もしばしば
どうしても大型の機材を運搬しなければならない場合、レンタカーのお世話になっていた
そうやって1年、何とか貯金をして購入した初めての車はMAZDAのMAZDA3 ファストバックだった

そこから3年間、ほぼ毎日仕事で使用した

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都内のスタジオから関西のロケ撮影まで、仕事ではなくてはならない車両だった

ブリッツ製車高調、Odula製マフラー、OZ-Racing製ホイールなど、些細ではあるがカスタムもした

トランク容量も国産Cセグとしては、標準的で使いやすく、非常にお世話になった

img_7620-1024x768 Mercedes AMG A45s納車した話

公私共に3年も乗ると、走行距離は5万kmを超える
幸い、不具合らしい不具合は見受けられないが、
「そろそろ乗り換えかなぁ」とか考えていたある日、転機が訪れる
筆者が役員を務める会社で、新しく車を購入する事になった
そして、その車種の選択権が筆者のものとなった

そこから毎日、車メーカーのHPやカーセンサーと睨めっこした

どうせ法人で買うなら、
5ドアで、なるべくコスパが良く、4年ぐらい前のモデルで、自分では絶対手を出さない車種にしよう

そうして最終的に筆者の出した答えは
「Mercedes AMG A45s」
となった訳だ

dscf0058-1-1024x682 Mercedes AMG A45s納車した話

A45sの話の前に、メルセデスのラインナップの話や、Aクラスの変遷について少し書いていこうと思う
記事全体で1万字を悠に超える長さなので、所々において飛ばして読んでいただくことを推奨する

メルセデス・ベンツ

御三家にも数えられるドイツの代表的なメーカーであるメルセデス・ベンツ
みなさんはどの様なイメージをお持ちだろうか、

ラグジュアリー、スポーツ、オラオラ系、筋者などなど
様々な印象があるということは、様々な車を発売しているということ
このセクションでは、メルセデスのラインナップ紹介をしよう

・Aクラス

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メルセデスの中で最も小さいモデル、1997年に登場し、3回のフルモデルチェンジを行ったクラスで、2025年までで販売終了予定、メルセデスの全車種のうち最も安価でエントリーモデルの位置付け
同社の中では売上4番目にランクインするクラス
通常Aクラスではセダン、ワゴンに別れており、その他にも
・クーペモデルのCLA
・クロスオーバーモデルのGLA
・電気自動車のEQA
がラインアップされる

Bクラス

image Mercedes AMG A45s納車した話

2005年、Aクラスから派生する形で誕生したBクラス、現在までに1回のフルモデルチェンジを行っており、2025年で販売終了予定
ボディ形状はトールワゴンで、一言で表すと「背の高いAクラス」
通常Bクラスはワゴンのみで、その他にも
・クーペモデルのCLB
・クロスオーバーモデルのGLB
・電気自動車のEQB
がラインアップされる

Cクラス

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1993年に登場したCクラスは日本で最も売れている車種で、
高級感やデザインを追求しつつ、日本の道路でも運転しやすいボディサイズが人気
通常Cクラスではセダン、ワゴンに分かれており、その他にも、
・クロスオーバーモデルのGLC
・クロスオーバークーペのGLC coupé
・電気自動車のEQC
もラインアップされる


Eクラス

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Cクラスと同じく1993年に登場したEクラス、
メルセデスの中核とも言えるプレミアムモデルで、ボディ形状やエンジン種類が多く、選択肢が豊富
通常Eクラスではセダン、ワゴンに分かれており、
・クーペモデルのE Coupe Sports
・ガブリオレのE Cabriolet Sports
・クロスオーバーモデルのGLE
・クロスオーバークーペのGLE coupé
・電気自動車のEQE
もラインアップされる

Sクラス

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1972年に登場したSクラス、Sは「スペシャリティ」の頭文字で、最上級の居住性能と、安全性能を有しており、同社のフラッグシップとなるクラス
現在ではセダンタイプのみだが、先代モデルではクーペやカブリオレもラインナップされていた
Sクラスのセダンは通常モデルとロングモデルがあり、その他に、
・クーペモデルのCLS
・クロスオーバーモデルのGLS
・電気自動車のEQS
もラインアップされる


上記のの5種類のほか、
SUVの「Gクラス」(通称ゲレンデ)

ME_S029_F002_M006_1_L Mercedes AMG A45s納車した話



・ミニバンの「Vクラス」

ME_S026_F003_M010_1_L Mercedes AMG A45s納車した話

これらもラインナップされている

AクラスからVクラスまでの、大半のモデルには
・レーシング部門の「AMG」
・ラグジュアリー部門の「Maybach」

の設定もあり、販売している車種は多岐に及ぶ


さて今回筆者が購入したのはAクラス
メルセデスの中でも最も安価でコンパクトな車両だ
Aクラスは28年前の1997年に登場した車両で、フルモデルチェンジを3回実施している
世代ごとに大きく特色が違うので、次のセクションで詳しく説明する

メルセデス・ベンツ Aクラスの系譜

世代を追うごとに大きく姿を変えるAクラス、
このセクションではその特徴をざっくり解説する

・初代Aクラス(W168) 1997-2005年

Mercedes-Benz_W168_A180-1024x640 Mercedes AMG A45s納車した話

5人乗りトールワゴン(Bセグメント)として初登場したAクラス
腰高で安定性が低く、民間の試験では横転するリスクがあるとの指摘を受け、リコール騒ぎに
ミッションは5速AT
日本では1998年にA160が発売、その名前の通り、1600ccの直4エンジンが搭載された
翌年1999年に1900ccのA190が登場、2001年にA160の内装アップグレード版のA160 Eleganceが登場した
そして2002年に2100ccのA210Lが登場、こちらはスポーティな味付けで4人乗り仕様のハイパフォーマンスモデル

・2代目Aクラス(W169) 2004-2013年

Mercedes-Benz_W169_20060311-1024x681 Mercedes AMG A45s納車した話

2004年にフルモデルチェンジを迎えたW169型先代と同じくBセグメントのトールワゴンで5人乗り仕様
主にサスペンションやステアリング、ミッションなどのメカ部分のアップグレードを実施した
ミッションはCVTに変更された
また、外装もやや大型化しており、居住性も向上した
日本では2005年にA170、A200、A200ターボが登場、2009年にはA170はA180へ名称変更が行われた
A180は何度かのマイナーチェンジを受けながら、2013年に販売終了となった

・3台目Aクラス(W176) 2012-2018年

Mercedes-Benz_A_250_Sport_W176_–_Frontansicht-1024x683 Mercedes AMG A45s納車した話

この型からAクラスは大きな進化を遂げる
ボディサイズがBセグメントからCセグメントへ大型化し、全長は400mmほど延長した他、全高も160mmダウンさせスポーティな印象に
全車7速DCTを搭載
BMW 1シリーズやAudi A3などに対する対抗馬とした
日本では2013年に1600ccのA180が2種と、AMGが関わった2000ccターボのA250が発売
2013年にAMGモデルであるA45を発売
M133エンジンは1.8Barもの過給圧を獲得し、365馬力を発生させる
2014年にはマイナーチェンジを実施、A180、A250を発売
安全サポート面での進化の他、外装の変更も行われた
A180、A250、A45は2018年まで販売が続き、生産終了を迎えた

・4代目Aクラス(W177、V177) 2018-2025年

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2018年に現行型へモデルチェンジを果たしたAクラス
型式がWとVに分かれているのはハッチバックかセダンかの違い
W176に比べて全長が120mm大きくなった事もあり、ホイールベース、室内空間、ラゲッジサイズが大型化された
インテリアも洗練されたデザインに進化し、メーターパネルとナビゲーションパネルを繋げた様なデザインは発表当時大きな話題を呼んだ
日本では2018年に1400ccガソリンエンジンのA180が登場
2019年に2000ccディーゼルターボのA200dが登場
同じく2019年には1400ccのA180セダンと、2000ccのA250セダンが登場した 
そして同じ2019年にはAクラスのAMGモデルであるA35、A45が登場
A35ではA250セダンと同じ型のエンジンをベースにAMGによるチューニングを行っており、306馬力のパワーを発揮する
A45では2ℓ最強と名高いM139型エンジンを搭載、421馬力を発揮させる
2020年、セダンモデルにディーゼルエンジン設定を追加、A200d セダンが登場
2021年、ハイブリッドモデルのA250e、A250eセダンが登場
2024年末を持って全てのAクラスの新規販売を停止、後継車のアナウンスは現時点でなく、1997年から続いた長い歴史に終止符を打つ事となる

筆者が購入したのはW177型のAMG A45s、歴代Aクラスで最もパワーがあり、レーシーなモデルである
次のセクションではA45sに焦点を当てて書いていこうと思う

Mercedes AMG A45s 4MATIC+

AMG A45sも複数種類のバリエーションが存在している

このセクションではそれらについて書いていこうと思う

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グレードはW177型 「A45sの4MATIC+Edition 1」
低走行で状態の良い車両が、比較的近所の販売店にあったのでそちらを購入
購入した車両は純正ドラレコやETCなども装着された車両で、Edition 1の新車時の車両本体価格は税込9,190,000円となる

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通常A45sEdition 1の違い
Edition 1では、通常モデルではオプション扱いとなる、

・AMGアドバンストパッケージ(360°カメラ、HUD、10スピーカー)
・AMGパフォーマンスパッケージ(コントロールサス、パフォシート、スポエグ、シートベンチ)
・AMGナイトパッケージ(各パーツブラック塗装)
・エアロダイナミックパッケージ(フロントカナード等)

上記が標準装備されている他にも、

・専用デカール
・専用フロントバンパーデザイン
・ホイール、ハブキャップ塗装
・専用インテリアトリム、専用フロアマット
 などなど

上記も特別装備されるグレード



エアロダイナミックパッケージに含まれる、リアウイング、リアエプロン、リアディフューザーは、
特別限定車のみに設定されているもので、オプション設定は無い、


手に入れたければ、A45sの特別限定車を購入するしかなく、限定車を下記にまとめた、

Edition 1
Street Style Edition
Edition 55
Final Edition

通常A45sの車両本体価格は税込で7,900,000円なので、Edition 1との価格差は約190万円となる
この価格差が妥当かどうか怪しいのだが、意外にもEdition 1の中古市場は潤っているので、欲しい車両がたまたまEdition 1だったパターンも多いかもしれない


ここからMercedes AMG A45s 4MATIC+についてレビュー(笑)を書いていこうと思うが、
筆者はプロのライターでもなければ、サーキットで走り込む様な上級者でもない

幸い、ネット上に情報は多く存在するので、スペックや機構などを事実ベースで書くことはできても、
実際に運転したフィーリングなどについては素人の域を出ない、
筆者の所有したことのある車両はMAZDA3なので、エンジンや足回りなんて凡そ比較にならないだろう
そもそもこのブログは、
筆者の所有するアイテムに対して、「知識を深めるための勉強の備忘録」である、
それっぽく書いているが、全く信用ならない文章であることを先に詫びておく

実際、購入を検討している方も、素人が多いはず、
本ブログでは素人のオーナー目線で色々書いていこうと思う、

M139型エンジン

この車両のトピックはやはりエンジンだろう、
メルセデスAMG工場にて1人専任体制で組み上げられるM139エンジン

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ボア83mm、ストローク92mm、ボアストローク比1.11で1991cc

最高出力421馬力 500Nmのパワーを誇る
0-100km/h加速は3.9と、まさかの4秒切り
驚くべき事に、この値を2ℓ 4気筒で出力する

先代のW176型A45のエンジン(M133)は後方吸気・前方排気であったが、
W177型のM139エンジンでは前方吸気・後方排気と逆の構造を持っている
機械効率的にはM139エンジンの方が効率が高いのだが、フロントに吸気機構を設けると、車両が事故を起こして何かに衝突した際に火災のリスクが高くなることからM133エンジンのように、後方吸気、前方排気のレイアウトを採用するのがセオリーであった
M139エンジンでは空力性能や吸排気の効率を適切に考えた結果この様なレイアウトになったと言う

出力に関しては、2ℓエンジン全車種の中で1位の出力を持っており、この値は2019年に登場して以来、打ち破られていない
2位は同じくAMGM133エンジンで381馬力、これはA45sの先代にあたるW176型A45に搭載されたエンジン、
3位はVOLVOB420エンジンで367馬力と続く

他メーカーでA45sと同じ約420馬力のエンジンを探すと、

・PORSCHE 996型911が3600cc 水平対向6気筒ターボで420馬力
・Audi S7スポーツバック 4GCが4000cc V8ターボで420馬力
・BMW E92 M3 coupéが4000cc V8 NAで420馬力
(ちょっと古い車両との比較で申し訳ない)

いずれもV8や水平6気筒などのマルチ形式で、排気量はターボであっても3.6ℓオーバーであり、
4000ccは当たり前の世界だということが分かる
復唱だが、M139は2000ccで直4である

1ℓ換算をするともう少し比較しやすい数字が見えてくる、

・AMG A45sは1ℓ換算で210馬力
・PORSCHE 996型911は1ℓ換算すると約116馬力
・BMW E92 M3 coupéは1ℓ換算すると105馬力

他の車両に比べて1ℓ辺りで2倍近い出力を叩き出していることが分かる

二輪であれば1000ccのスーパースポーツの馬力と互角の数値だ
勿論NAだが、DUCATI Panigale V4が1103ccで216馬力なので1ℓ換算では196馬力となる
2輪の過給機モデルではKawasaki Ninja H2は998ccで231馬力なので、流石にこれは勝てない

これほど強大なパワーを発生させているのは2.1BARの高過給圧の恩恵が大きい
この高過給を実現する為にA45sではツインスクロールターボを採用している
ざっくり解説すると、エンジンのマニフォールドからターボまでのラインを2本に分ける事によって排気干渉を防ぎ、効率を上げる目的のもの
ちなみにA45sの前期型であるA45(W176)は同じボアストロークで1.8BARの過給を受けて381馬力
(GRヤリスも1.8Bar前後らしい)

2.1BARの過給を受けるという事はすなわち、高圧縮に耐えるエンジンと冷却性能を備えたエンジンだという事でもある
2BAR以上の過給を受けるためにはディーゼルエンジンに近い、160Bar以上の燃焼圧の耐える必要があり、アルミ製のクローズドデッキ構造を持つシリンダーブロックが使用されている
冷却性能も非常に高く、3つのウォーターポンプを搭載し、内1つはターボ専用のものになっている

これだけ高い過給圧を持つと、ドッカンターボな特性を想像しがちだが、低速域においてはNAのようなフィーリングを持つ
事実、最大馬力は6750rpmで発生、最大トルクは5000rpmまで引っ張って発生させている
確かに低速時のトルクは薄いし、DCTとの組み合わせなので多少もたつくだろうが、
それでも十分にハイパワー、MAZDA3に乗っていた筆者からするとクリープだけでもトルクフルな感じがする(気がする)

ただ単に過給圧がすごいだけではなく、上記以外にも

・燃料噴射も直噴とポート噴射を使うデュアルインジェクション
・F1用のエンジンにも採用されているナノスライドコーティング
・可変バルブ機構のCAMTRONIC

などなど、M139は、さまざまな先端機能を結集させて2ℓ最強の称号を手にしている

M139エンジンは、AMG A45sの他にも、

・AMG CLA 45s
・AMG GLA 45s
・AMG C 43
・AMG C 63s
・AMG GLC 43
・AMG GLC 63s
・AMG GT 43 coupé
・AMG SL 43
(一部モデルはハイブリッド)

・Lotus Emira First Edition

上記リストの車両にM139エンジンが搭載されている

駆動系、フレーム

M139型エンジンから発生するパワーは、8速DCTを介して4輪へ伝えられる
駆動系はAWD方式
DCTのレシオは加速重視のクロスレシオ
加速時のシフト切り替えでは、駆動の途切れを感じさせない


A45は直線番長か? 否、カーブにおいても秀でた性能を見せる
「峠で無敵」と呼ばれた三菱のAYCのように、左右のトルク配分をコンピュータにより制御する「AMGトルクコントロール」、
優れた旋回能力は、ハンドルを切った瞬間からノーズをが性格に応答する

ブレーキも信頼性が高い、
フロントに対向6potキャリパー、360mmディスク
リアに1potキャリパー、330mmディスク
ディスクは、ドリルドベンチレーテッドタイプを装備

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ホイールとキャリパーのクリアランスが「本当に市販車か?」と思わせるほど薄い

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ステアリングもドライブモードに応じて重くなっていく

高速走行時に頭を振ってカーブを曲がろうとすると、車体の剛性感をよく感じ取れる

車重は1.6トンあり、このサイズを考えると重い部類に入るであろうが、重さを感じられるポイントは走り出しぐらいで、カーブ中の不安等はあまり感じない

4輪駆動に合わせて、カーブ中はイン側のトルクをアウト側に振る機構、「AMGトルクコントロール」が備わっているので、カーブのアウトラインをなぞる様に抜けていくことが出来る

素人の筆者でも、まるで運転が上手くなったかの様に錯覚する

エクステリア

全長は4543×1850×1412 mm
ホイールベースは2729mm

Cセグメントとしては一般的なサイズだ

2025_01_24_首都圏採用hp5317-1-1024x682 Mercedes AMG A45s納車した話

AMGなので、通常のAクラスからややボディサイズの拡大がある
通常Aクラスは全長4419×全幅1796×全高1423mmなので、
全長は125mm、全幅は54mm大きくなっている
前高に関しては11mm低くなっている

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また、最低地上高に関しては、通常Aクラスと比較して、25mm低くなっている

この車両は太陽の下で、青味掛かった雰囲気に

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通常モデルとはフロントフェイスが大きく異なる
空力性能を向上させる各種パーツやマフラーカッターは、グロスブラックに塗装されている

ボディサイド、ボンネットにはキャラクターラインが入る

サイドスカートもグロスブラックに塗装されており、ドア下面には、レーシーなデカールが貼られている

AMGの上位機種である証「パナメリカーナグリル」が装備されている

これらの装備は250km/hを超える速度域にも対応出来る設計になっている

デイライトは1本でシャープな印象


マフラーは左右2本出しに見えるが、排気部から中を覗き込んでみると、奥で1本に集合しているのが確認できる
「なんちゃって4本だしマフラー」となっている

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このセクションではあまり関係ないが、パーキングに入った停車時でも、
エンジン回転数制御のようなものはなく、レッドゾーンまで吹かすことが可能である
(やるかどうかは置いといて)


各種エンブレムはAMG専用のもの


ボディをマットグレーでラッピングしているので夕日などのハイライトは滲んで映り込む


外装のみをラッピングしているので、ピラー内側などは元の色であるイエローが目立つ

マットグレーは街中によく溶け込むカラーリング

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インテリア

水平基調で近未来的なデザインを主軸としている
基本的にAクラスの共通内装
しかしながら、ステアリング、ダッシュパネル、シートなどなど、所々にAMGらしさをあしらっている
メーターとナビ画面はフルデジタルで、2枚とも横に並べられているので、まるで一枚の大きな画面に見える

エアコン吹き出し口はジェットエンジンの様な造形で、中央に3個、左右に1個づつ設置されている

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個人的評価ポイントは、すべてのデザインがしっかり「生きている」と言うこと
デザインのために、使いにくいのでは意味がない、と考える筆者

最新機種にありがちな、
エアコンのボタンがタッチパネルの中に存在したり、ステアリングを極力シンプルにしたり、
美しい見た目は結構だが、そのせいで使いにくいのはナンセンスだと考える

スタートスイッチはハンドル左側

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A45の内装では、各スイッチが機能的に並んでいる
ステアリングでは走行モードの切り替えボタンがついており、これはAMGの専用装備となる

ステアリングは、イエローステッチのアルカンターラ巻きになっており、センターポジションマークが付いている

6時方向には、AMGのEdition1の証であるプレートが配置されている

ステアリングについているの液晶ディスプレイを備えたスイッチは、
液晶ディスプレイ自体がボタンになっており、それを押すことによって各種項目を切り替え可能で、それぞれがサイドのボタンでオンオフ可能なので、高速走行中において、必要な動作はハンドルから一切手を離さずに行うことができる

ステアリング3時と9時方向についている、各種スイッチは通常Aクラスと同様のものになっている

エキゾーストモードの変更や、サスペンションのセッティング、AT、MTモードの切り替えなどのボタンは、
ステアリングについたボタン、センターコンソールのボタン、中央タッチパネルの3箇所で変更可能

至る所に黄色のステッチやAMGのロゴが配置される

シートはランバーサポートがかなり張り出したデザインでオールディング性能が非常に高い
ヘッドレスト一体型で、背面から座面にかけて、イエローのラインが入っている

シート座面は前方高さ、後方高さを独立して調整可能であり、ランバーサポートについても張り出し具合を調整することができる


また、シートの長さも手動ではあるが、調整可能な気候が備わっている
レザーシートであるが、シートクーラーとシートヒーターが装備されている
シートクーラーとシートヒーターの操作は、ドア側面に付いているパネルで行う

シートポジションは、3プリセットまで保存可能で、これはMBUXのプロファイルに登録されるものである

MBUXは単体でインターネットに接続する機能が備わっており、ソフトウェアアップデートやマップの更新説明書の表示など様々な機能を実装している

メーターは状況に応じて表示やデザインを切り替え可能

速度計は300km/hまで刻まれたフルスケール

中央ディスプレイでは、AMGの専用装備として、エンジンの出力やタイヤの空気圧、2次元方向の荷重を表すGメーターなどを表示させる機能が備わっている

またトラックペースと言うモードもあり、こちらはサーキットなどでラップタイマーとして使用することができる

ヘドアップディスプレイも装備されていて、回転数や時速、ACCの車間距離設定など任意の項目を表示させられる

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ステアリングにはパドルシフトがついている
クリック感があり、操作しやすい

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アンビエントライトはドアパネルから反対側まで一本で繋がった様なデザイン
近未来的でかっこいい

オーディオに関しては特筆するべき点は特にないように思う
前に乗っていたMAZDA3ではBOSEのオプションがついていて、非常に音質が良かった
その比較で、A45の音質は並と言ったところ

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アンビエントライトの色は好みに応じて変更可能

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エアコンの吹き出し口にもアンビエントライトが仕込まれている



その他部分は基本的には通常Aクラスと同じ仕様

リアシートは通常Aクラスと同じになっており、ヘッドレストはシート一体型のものになっている

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センタートンネルは、かなり高く、後席センター中央付近にはエアコンの吹き出し口が2つ備えられている
またUSBもType-Cが2個備わっている

(こちらはアンビエントライトが付いておらず光らない使用となっている。) 

リアシートの居住性については、このクラスの平均的なサイズだと思う
可動式になっているが、倒し込むことはできず、逆に立てることができる構造になっている

おそらく、ラゲッジルームのスペースを確保するためであるが、床面積の自体はあまり大きくならないので、使う人はあまりいないんじゃないかと思う

身長170センチの方までだったら問題なく乗車可能であると思う
そもそも、この車には、リアシートの居住性を求めて買う方は少ないと思うのだが

ラゲッジルーム

ラゲッジは至って普通な構造
リアシートを倒さない状態では、
横幅105cm 奥行き80cm 高さ75cm
リアシートを倒した場合、奥行きが177cmまで拡大できる

筆者の職業はカメラマンで、ロケ撮影の場合、荷物はかなり多い
奥行き177cmもあれば大抵の荷物は運搬可能

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これ以上大きな車が必要な方は、おそらく車の用途が仕事用や趣味専用になってくるだろう

安全サポート機能

今回、車を選ぶ上でマスト機能だったものがいくつかある
まずは「ACC」である
前方車の速度に応じて自車の速度を可変させてついていくモードである

また、レーンキープアシストも必須機能だ
この2つは、時々、長距離移動をする筆者にとって必ず必要とも言える機能だ
それ以外でも、衝突防止機能や、歩行者監視など基本的な安全装備は標準搭載されている

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ACCはステアリング3時のボタンで操作する
操作はすぐに慣れることができた

使い勝手

筆者は自動車評論家でもなければ、プロドライバーでもない
なので、この車の真価であるスポーツ走行性能についてレビューをすることができない
正確に言えば、それっぽいことを書き連ねる事は可能なのだが、こんな素人が書いたところで、薄っぺらい文章が出来上がるだけだ
この車の本量を知らないで乗っていると言うことになるのは、非常に残念でならない

が、皆様にお伝えできる領域として
「日常生活において使い勝手がどのように良いのか」
この辺についてはお話しすることができる
幸いにも筆者はカメラマンと言う職業についていることもあって、荷物を乗せた長距離移動は比較的多い方だ、

この車両のレビューは、スポーツ走行性能にフォーカスしたものが多いと思う
しかしながら、この車両を買う顧客はのほとんどが、私のような素人ドライバーではないと思っている
なので使い勝手については、素人のオーナーである私が、
「一般の素人としてこの車両がどのように見えるのか」
これについて、レビューするのは十分に意義のあることだと思う

サイズ感に関して、
ボディはCクラスとして、一般的なサイズ感
サイズに関して、筆者の場合、困るシチュエーションはあまりない
横幅も1850mmとメルセデスの中ではかなりコンパクトな部類
コンパクトとは言え、4人乗車までなら、まず問題なく運用できるだろう
前談の通り、ラゲッジも普通にサイズで、日常使いに便利な車両だと思う
後席の居住性は決して良くはないので、長距離には向かないだろう、無いよりはマシ
一方、旋回半径は5.4mと少し大きいので、交差点でのUターンでは、切り返す場面が出てくるかもしれない
(通常Aクラスは旋回半径5m)
また、機械式駐車場の場合、1度だけ、最低地上高不足でNGを食らったことがある

乗り心地に関して、
助手席を含めて乗り心地がスーパー快適な車ではない
むしろ、そのままサーキットに持ち込めるポテンシャルを持っている車なので、
「スポーツカーとして、乗り心地はトップレベルに良い」
と評価できる
なので、車に全くの興味がない人からすれば「乗り心地が悪くて、煩く、燃費も悪い車」と評されるだろう
化け物エンジンを搭載したスポーツカーって日常使いできるのだろうか、という問いに対しては納車前までは懐疑的であったが、案外乗り心地は良かった

エンジンの出力特性を変更できるので、
筆者の場合、日常使いでは、モードをインディビジュアルに設定、ドライブに関してはReducedモードで出力を抑えつつ、サスペンションはコンフォート、
エキゾーストに関してはデフォルトでクローズ、近隣状況に応じて、センターコンソールのボタンでオープンに設定している
この設定で問題なく日常使いができる(と思う)

ペーパードライバーである筆者の彼女でも、問題なく運転できていた

img_8533-1-1024x768 Mercedes AMG A45s納車した話

長距離運転に関して、
シートのホールディング性能が高いので、そこまで疲れない
またコンフォートモードでも、国産車比でサスペンションは適度に硬い
なので車酔いの心配もそこまでしなくていいだろう
航続距離は燃費にもよるが400kmぐらいと考えておくと良いが、この値は国産車に比べてまあまあ短い
長距離移動では給油回数が国産車比で1回多くなるかも知れない

気になるポイント

このセクションでは必須が個人的に気になったウィークポイントをまとめていこうと思う

・エンジン始動時の音が煩すぎる
筆者はカメラマンという職業もあって、朝早くに車で出かけることも多々ある
その際に、早朝の住宅街でA45s始動させるのはまあまあ勇気がいる
エンジン始動時はマフラーのバルブがオープンになるので、特に冬では、閑静な住宅街に轟音が響く

・所詮Aクラス、内装がややチープ
ド派手な内装について、ネットでも賛否が別れている様だ、
この車両の価格は乗り出しで1000万円弱、国産車ならフラッグシップ級の価格設定だ
その価格であれば当然、車内の質感は高い、そこと比較したときに、車内のチープさが目立つ気がする
しかしながら、これはメルセデスの中で最も安価なAクラスから派生して登場したスポーツカーであるので、過度な期待は禁物

・後席の視界不良
前席のヘッドレストが一体型なので、後席に乗車した場合、圧迫感を感じることがある、
レーシーなドライブフィールと相まって、人によっては若干の恐怖感を感じるかも知れない

・航続距離が短い
使い勝手セクションでも書いた様に、航続距離が問題になることがある
運転の仕方次第ではあるが、400kmという航続距離は、旅行などの長距離移動時にネックになるだろう
場合によっては高速道路で給油せざるを得ない場面にも遭遇する
この車は勿論ハイオクなので、高速GS価格&ハイオク価格のダブルパンチを食う覚悟がいる

・2.1Barという高過給、精神的不安は大きい
これを言えば元も子も無いのだが、ハイパワーなエンジンだけあって、故障のリスクは国産NAに比べて何倍も高いだろう
ネット上ではW177型において、タービンが飛んだなど、故障等の情報は多く見受ける事はなかったが、それでもちょっと不安
Googleで「AMG A45」と調べると、サジェストに「壊れやすい」と表示された
やっぱりみんな薄々思っている部分なのだろうか、
もしもエンジンが死んだりしたら修理代は幾らになつのか想像も付かない

・全てのパーツが高い
これは会社あるあるであろうが、全てのパーツが高い
筆者の住む地域の冬場はマイナス温度になる地域なので、スタッドレスタイヤが必須なのだが、ホイールとタイヤを合わせて新調しようとすると、悠に50万円を超える金額になる、この見積もり書を見た時は流石に変な声が出た
それ以外にも、ボディラッピングをする関係で、リアゲートのエンブレムを交換する事になったのだが、このパーツの価格は1万円を超えていた、「プラ製のこんなパーツが1万円??」と思ったのだが、背に腹はかえられない

ボディラッピング

この車両はEdition 1なので、本来は黄色い外装色である

C6A2372-1024x640 Mercedes AMG A45s納車した話

非常に派手で、どこへ行っても目立ってしまう
個人的にはあまり気にいていなかったので、思い切ってフルラッピングを行った

ショップに持ち込み、色を決める

IMG_8219-1024x768 Mercedes AMG A45s納車した話

筆者はグレーが大好きな人間であり、
案の定、A45もグレーにすることにした
どうせラッピングを行うならマットっぽい雰囲気にしたかった

施工は友人のはまち氏に依頼
https://polluxwrap.com

実は、愛車のVitpilen401も彼のスタジオでラッピングいる


AMG A45sの施行中写真

img_8464-1-1024x768 Mercedes AMG A45s納車した話

そうして完成した車両が、これまで紹介していたA45なのである

2025_01_24_首都圏採用hp5288-のコピー-2-のコピー-3-1 Mercedes AMG A45s納車した話

フロントの複雑な造形も綺麗に貼っていただいた

2025_01_24_首都圏採用hp5319-1-1024x682 Mercedes AMG A45s納車した話


まとめ

「スポーティーカー」と「スポーツカー」は別物の存在である
A45sは間違いなくスポーツカーの部類だが、近所の買い物からサーキットまで、
双方の領域を妥協することなく両立させている

「二兎を追う者は、一兎をも得ず」
という言葉があるように
本来であれば、コンフォートとスポーツは両立しないものだと思っていた

以前に乗っていたMAZDA3でも、サスペンションを社外のものに変えた結果、カーブ時の不安は解消したが、
その分、快適性が悪化し、ロードノイズも増えてしまった

しかしこの車は、快適性とスポーツ走行性能という、
2つの真逆なベクトルを同時に獲得している車だと思う

2兎を追った結果、2兎とも取れてしまっている状態にある

この車に搭載されるエンジンは、現在様々な別の車両に搭載されているが、それらのほとんどは、マイルドハイブリッドなど、電気の力を借りて、出力アップや環境性能向上を果たしている
ピュアなガソリンエンジンは、この時代においてもう2度と作られないだろう
A45のエンジンが持つポテンシャルが、今後ピュアエンジンとして登場することは2度とない

2025年であれば、A4 5の中古市場は比較的潤っている
今現在、元気なエンジンを搭載したハッチバックを検討している人がいるなら、ぜひこの車両も候補に加えてみてはいかがだろうか

この車の使用用途が、サーキット専用の人はどのくらいいるのだろうか、
筆者のように日常遣いがメインで、たまにスポーツ走行を楽しみたい人にはぜひオススメできると思う

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2019年に写真学校を卒業、都内撮影スタジオでの3年間勤務を経てフリーランスのディレクター兼カメラマンとして独立。2023年5月に合同会社AOKOM入社、現在は物撮りを中心にファッションポートレートから取材撮影、ムービー分野まで幅広く手掛ける。独身ガジェットオタク。