NEEWER Q4 買った話

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何気なくTwitterを見ていたある日、

下記ツイートを見かけた

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twitter.com

何とも面白い形のストロボである

なんとこの大きさでバッテリー内蔵式とある

公式ストアを見に行くとクリスマスセール実施中との事

価格は約5万円

安い!!!

その後、何も考えずに購入

現在に至る

NEEWERとは

さて、カメラ好きの読者諸君ならNEEWERは比較的馴染み深いメーカだろう

会社名は「SHENZHEN NEEWER TECHNOLOGY Co., LTD」

漢字表記は「深圳市纽尔科技有限公司」

設立は2011年10月25日で深圳に本社を置く機材メーカーである

アメリカ、イギリス、ドイツにも支店が存在するグローバルメーカーで、資本金は脅威の日本円にして約6億円。

ハイテク企業認定もされた中国屈指の撮影機材会社と言っても過言では無い

日本では神戸にある株式会社MOTTコンサルティングが輸入を行っているが、正式なプレスリリースは発見できなかった

日本のAmazonでもよくリコメンドされる、

魅力は何といっても低価格なところにある

おそらくこれ以上は安くできないであろうレベルまでコストカットが徹底されており、必要最低限というか、品質を理解した上で使用するのであれば、コストパフォーマンスが鬼のように高い

ライトスタンドやアーム、レフ版など撮影小物を中心にラインナップしているが、実はストロボも販売している

NEEWER Q4

ストロボ販売していると言っても、完全自社オリジナルな製品では無いようだ

形状から察するにドックス性のストロボのOEM(またはコピー)かと思われるが、OEM契約に関する正式なプレスリリースや文章は発見できなかった

例えば、こちらの商品は筆者所有のNEEWER Q3という商品である

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そして、こちらはGodox社が販売しているAD200Proと言う製品

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瓜二つ

リバースエンジニアリングでの無断コピーだとしたら相当露骨

AGodoxのAD200は発光管部分が取り外しできるような構造になっている

NEEWERでは同取り外し機構はキャンセルされていて、徹底的なコストカットが見て取れる

OEM(コピー元の)元にGodoxは、ストロボ界のハイブランド、「ブロンカラー」のワイヤレスコマンダーをOEM生産するほどで、世界的に見てもストロボ界において市民権を得ている

なので、

「中国製品=品質が悪い」

とは一概には言えない

余談であるが、Godox製のAD200とAD300はバッテリーの互換性がある(らしい)

なのでNEEWERのQ3とGodoxのAD300でもバッテリー互換があるかと思って試してみたのだが、

バッテリー挿入後のロック機構が働かなくなった

手で押さえると電源入って正常に動くので、電圧は合っていると思われる

なのでNEEWERとGodoxのバッテリー互換は無いというのが結論

さて、今回私が買ったQ4は類似品が存在しない、

全く見たことのない形をしており、これはNEEWERオリジナルの製品だろう

しかしながら、操作系や発光管など、所々Godoxと似ている部分があるので、

外装こそユニークであるが、中身の基盤やチャージ回路等はGodoxAD400のOEMか、コピーである可能性がある

外観

スクエア型の本体に発光管とリフレクタがくっ付いたような見た目

400wsでガイドナンバーは72

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専用ワイヤレスコマンダーを使用すると1/8000sまでのハイスピードシンクロに対応

発光管はGodoxのAD300、400と同じように、

正面にすりガラスが設けられている

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操作系は背面に集中している

使用方法はGodoxで慣れている人なら説明書無しでも操作できるだろう

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底面は1/4ネジ穴と排気ポート

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バッテリーは側面から収納する

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リフレクタはボーエンズ互換

ロック機構が備わる

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上面にはキャリアがついている

本体はリフレクタ、発光管込みで約2.2kgあるのでこれは有り難い

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バッテリーの反対側面にはファームアップ用のUSB-Cポートと有線シンクロ用の3.5mmジャック

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21.6V/2800mAhリチウムバッテリー

バッテリー本体にはロック解除ボタンと充電用DCジャック

付属充電器で充電しながらの使用が可能

この外部ソースモノブロックストロボとしての使用方法はAD400単体やAD300で出来ない機能

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バッテリーには充電残量を表示するインジゲーターが付いており、バッテリーのボタンを押す事で、本体の電源を入れなくても残量確認が可能

バッテリーは0%から100%チャージで3.5時間

400wでのチャージタイムは1.2秒

発光管は取り外し可能

Godox製と互換があるかは不明

閃光速度は、

フル発光で1/209s

ミニマム発光で1/10989s

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発光管の奥にはLEDモデリングライトがある

シングルカラーで5600kでCRI95+の30w出力

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サイズ比較

左から

NEEWER Q4

Godox AD300 Pro

Profoto B10

NEEWER Q3

Godox AD100 Pro

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Q4は円筒型のストロボに比べて一際大きい

上記製品の中で収納性は最も悪い

全長はやや短く、250wのProfoto B10と同じぐらい

こうやってみるとサイズと出力が比例していないのが分かる

その他

こちらがワイヤレスコマンダー

QPro-Cという製品

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末尾の「-C」はCanon用を表しており、Nikon、Sony用も発売されている

2.4Ghzで32チャンネル5グループ

100mの通信距離を確保する

余談だが、Canon用のコマンダーは全世界において在庫が少ないようだ

日本では手に入らなかったため、泣く泣くNEEWER Q3のコマンダーコンボキットを購入し、付属してきたコマンダーを使っている

Godox製よりもコントロールダイヤルが大型化されていて操作しやすい

Q4では、本体の1/4ネジと16mmダボ変換するアダプターが付いており、角度調整やアンブレラ固定機構も備える

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スーパー細かい発言だが、

ダボの固定用ネジと本体の角度調整用ネジが別々の軸に存在しているため操作がしやすい

Godox社製では、これが同じ方向を向いているので、たまに指を挟んでしまう

本体のディスプレイは大型で見やすい

UIはGodoxでお馴染みの画面

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出力は1/1〜1/256までの9ステップ

専用ワイヤレスコマンダーでTTLも機能する

(筆者はこの手のモノブロックでTTL使う用途が分からないが)

メニューもGodoxと全く一緒

S1、S2スレーブに対応している

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モデリングライトはかなり明るい

ビデオライトとしての使用想定あるだろう

モデリングライトは10段階で光量を調整でき、ストロボの出力に応じたPropモードもある

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気になった部分

・精度が低い

リフレクターを取り外す際に謎の引っかかりがあり、取り外すのに苦労する

発光管がむき出しなこのタイプのストロボでは、リフレクターを外す際に発光管と当たってしまう恐れがあるので、かなり神経を使う

・接続不安定

ワイヤレスコマンダーからシンクロロボ取ろうとすると不安定になることがある

これは天下のProfotoの製品を使っていてもあることなので、あまり気にしてない部分だが、

感覚的にはGodoxよりも安定性に劣る気がする

・ケースが大きい

キャリーバックが付属しているのが、これがかなり大きい

GodoxやProfotoのケースは小型なので、機材搬入の際にそこまで苦労しないが、この製品はかなり大きいので少し困る

・全体的に造りがチープ

こればっかりは値段を考えると致し方ない部分であるが、耐用年数は短そう

・互換性が低い

ストロボアクセサリーのスタンダード規格になりつつあるボーエンズマウントを採用してくれた事は大いに歓迎するが、バッテリーやワイヤレスコマンダーなどの互換性は保持していない

GodoxのOEM(またはコピー)なのであれば、ワイヤレスコマンダーの通信規格は揃えて欲しかった

400wのモノブロックストロボを必要とする、素人は少ないだろう

このストロボを買う人は、もともと他のメーカーのバッテリー式モノブロックストロボを持っている人だと思う、

ということはNEEWERでストロボ揃えているカメラマンも少ないと思われる

だからこそ、ワイヤレスコマンダーは、自社製品での囲い込みをするのではなく、Godoxと共通化して、Godoxストロボを持っている人が気軽に手を出せる体制を整えるべきであったと思う

テスト撮影

友人の車を撮影してみる

車両はAudiのS4

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アングルはセンチュリーに電動雲台を使用してカメラを設置する事により、超ハイアングルとした

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電動雲台のレビューはこちら

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「超ハイアングル」電動雲台 買った話

さて、年の瀬も迫った今日、皆々様はいかがお過ごしか突然だが、こちらを見てほしい

Fuya Photo

街灯が明るく、400wsクラスでないと、地明かりが被写体に被ってしまう恐れがあった

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400wであればISO100でも十分に絞って撮影が出来る

アングルも相まって、個人的にはかっこいい写真に仕上がったと思う

ナンバープレートはPhotoshopにて消している

実際に仕事でも使用してみる

本体にはボーエンズマウントがそのまま採用されているので、各種ライトアクセサリーを簡単に使用することができる

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今回は上手側のサブライトとして実践投入した

ソフトボックスは、GODOX製の30 × 90cm、

ワイヤレスモードはスレーブ発光とした

気になった点を挙げるとすれば、

Q4はボックスを使用しているし、B10はアートレ越しなので正確な事は言えないが、Q4はややグリーン被りしていると思う

これはカラーフィルターなどで簡単に調整可能

光量は充分で、モデリングライトも非常に明るいので、多灯ライティングをする際に、光のエッジがどこに立つかとてもわかりやすく撮影することができた

Q4のモデリングは5600kなので、B10では2700kぐらいに調整し、Mix光での光の重なりを調べるのに適している

撮影では本体底面の三脚穴にダボを取り付けてセンチュリーで固定した

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撮れた写真はこちら、マグロ丼の切り抜き用カット

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まとめ

クリスマスセール価格とは言え、お値段5万円付近の格安ストロボ

光量は充分だし、その他の機能を含めても申し分ない、デザインもユニークでかっこいい

グリーン被りが少し気になるが、これは中華ストロボ全般に言えることなので、許容範囲内だと思う

もし完璧に色を合わせたいのであれば、メーカーはGodoxやProfoto、ブロンカラーなどで統一すべきである

気になるところは耐久性であるが、もしこのストロボが壊れてしまったら、この記事に追記したいと思う

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2019年に写真学校を卒業、都内撮影スタジオでの3年間勤務を経てフリーランスのディレクター兼カメラマンとして独立。2023年5月に合同会社AOKOM入社、現在は物撮りを中心にファッションポートレートから取材撮影、ムービー分野まで幅広く手掛ける。独身ガジェットオタク。

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